シニア期のケア記録ガイド
シニア期に入ると、変化のスピードが上がります。若いころと同じ間隔・同じ項目のまま記録していると、その変化に気づけません。何をどのくらいの頻度で残すのか、そして夜鳴きや粗相のような言葉にしにくい変化をどう書けばいいのかをまとめました。
この記事の要点
シニア期は「変化の速さ」を見る時期です。体重は月1回から2週に1回へ、健康診断は年1回から年2回へと間隔を詰めます。夜鳴き・粗相・歩き方といった言葉にしにくい変化は、「いつから・週に何回・どんなときに」の3点に分けて書くと、そのまま診察で使える材料になります。投薬は飲ませた時刻まで残すと、家族で分担していても二重に与えずに済みます。
体の大きさによって、シニアに入る年齢は変わります。
シニア期の入り口は、犬では体の大きさによって差があります。大型犬のほうが早く、小型犬はゆるやかです。猫は犬ほど差がなく、7歳ごろからと言われることが多く、11歳を過ぎるとハイシニアと呼ばれる段階に入ります。
| 動物 | シニアの目安 | この時期に増えること |
|---|---|---|
| 小型犬・中型犬 | 7歳ごろ〜 | 寝ている時間が増える。散歩の距離が落ちる |
| 大型犬 | 5〜6歳ごろ〜 | 後ろ足の力が落ちる。立ち上がりに時間がかかる |
| 猫 | 7歳ごろ〜 | 体重が落ちはじめる。飲水量やトイレの回数が変わる |
| 猫(ハイシニア) | 11歳ごろ〜 | 通院の頻度が上がる。投薬が日課になることがある |
ただし、年齢はあくまで目安です。同じ13歳でも元気に走る子もいれば、介護が必要な子もいます。大切なのは何歳になったかではなく、その子の去年と今年で何が変わったかです。それを知るには、去年の記録が要ります。
この記事は診断や治療の判断をするためのものではありません。 シニア期に現れる変化の多くは、加齢によるものと病気によるものの見分けが難しく、飼い主が判断できるものではありません。ここで紹介するのは「気づいて、獣医師に渡す材料を用意しておく」ための記録のしかたです。気になる変化があるときは、記録を持ってかかりつけの動物病院にご相談ください。
同じ1年でも、シニア期は記録する回数が変わります。
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| 項目 | 若いころ | シニア期 |
|---|---|---|
| 体重 | 月1回 | 2週に1回 |
| 健康診断 | 年1回 | 年2回(獣医師の指示に従う) |
| 食事 | 食べ残しに気づいたとき | 毎回の食べ残しを記録 |
| 飲水量 | 特に記録しない | 増えた・減ったに気づいたら残す |
| トイレ | 回数のみ | 回数と、いつもと違う点 |
| 投薬 | ほとんどない | 毎日・与えた時刻まで |
体重は、シニア期にもっとも早く変化があらわれる数字のひとつです。測り方や、増減を割合で見る考え方は体重管理ガイドにまとめています。
「なんとなく元気がない」は、記録にすると診察で使えます。
シニア期に出てくる変化は、数字になりにくいものがほとんどです。夜中に鳴く、トイレを失敗する、同じところをぐるぐる回る、呼んでも反応が鈍い。どれも「なんとなく」で終わりやすく、診察室で聞かれたときに答えられません。
こうした変化も、いつから・週に何回・どんなときにの3点に分けて書けば、そのまま材料になります。書く手間はほとんど変わりません。
「最近よく夜に鳴く。
年のせいかな」
いつからなのか、どのくらいの頻度なのかが分かりません。加齢によるものか、痛みや不調によるものかの手がかりも残りません。
「9/2の夜から。深夜2〜3時ごろに5〜10分続けて鳴く。週4回くらい。日中は落ち着いている。抱くと止まる」
時間帯・長さ・頻度・止まる条件が入っています。獣医師が原因の見当をつけるときに効く情報です。
動画も有効です。歩き方やふるえは、言葉より動画のほうが正確に伝わります。
「飲ませたっけ」を、記憶で解決しないようにします。
シニア期に入ると、通院が単発の出来事ではなくなります。定期的に通い、薬をもらい、次の診察日が決まる。この繰り返しになると、前回いつ何を出されたかを覚えておくのが難しくなります。
とくに注意したいのが投薬です。1日1回の薬を家族の誰かが与える場合、「もうあげた」「まだだと思う」が食い違うと、飲ませ忘れか二重投与のどちらかが起きます。記録に与えた時刻と、与えた人が残っていれば、その場で確認できます。
通院の記録のしかた、受診前に用意しておく情報、費用の残し方は通院・お薬の記録ガイドにまとめています。次回の予定を入れておけば、24時間前と2時間前に通知が届きます。
その子の日課に合わせて、記録する項目を自分で足せます。
あなたの愛犬に合わせたオリジナルのTODOを追加できます。
例:トイレ掃除、ドッグラン、健康診断
など
TODO名
ごはん・トイレ・散歩のような項目は最初から入っていますが、シニア期に必要になるお世話はその子ごとに違います。
「夜鳴きチェック」「水を飲んだか」「床ずれの確認」「関節のサプリ」など、必要な項目を自分で追加できます。追加した項目も、ほかのお世話と同じようにチェック1回で記録できます。
TODO追加画面。追加した項目は「いつでも」の欄に並び、朝・昼・夜の固定項目と一緒に管理できます。
TODOの「編集」から、使っていない項目を外し、必要な項目を足します。散歩に行かなくなった子の項目をそのままにしておくと、毎日の未完了が積み上がって記録が続きません。
月1回から2週に1回へ。同じ時間帯・同じ体重計で測ると、数字が比べられるものになります。
夜鳴きや歩き方の変化は、その日のうちに1行で。「いつから・週に何回・どんなときに」を入れておくと、あとから読み返せます。
通院手帳に診断と処方を残し、次回の予定を登録します。24時間前と2時間前に通知が届きます。
シニア期の記録について、よく聞かれることをまとめました。
一般的な目安として、小型犬・中型犬と猫は7歳ごろ、大型犬は5〜6歳ごろからシニア期とされることが多く、猫は11歳ごろからハイシニアと呼ばれます。ただし個体差が大きいため、年齢そのものより「去年と比べて何が変わったか」を見るほうが役に立ちます。
2週に1回が目安です。若いころの月1回では、ゆるやかな減少に気づくまでに時間がかかります。同じ時間帯・同じ体重計で測ると、1回ごとの誤差があっても推移の傾きは信頼できます。
「いつから・週に何回・どんなときに」の3点を入れて書きます。たとえば「9月2日の夜から。深夜2〜3時ごろに5〜10分。週4回くらい。日中は落ち着いている」のように書くと、そのまま診察で使えます。歩き方やふるえは、家で撮った動画があるとさらに正確に伝わります。
残せます。毎日の投薬はTODOの項目として記録でき、チェックすると与えた時刻と、記録した家族の名前が残ります。家族で分担している場合でも、その場で「もうあげたか」を確認できます。薬の内容や処方の経緯は、通院手帳に残せます。
できます。ごはん・トイレ・散歩などの項目は最初から用意されていますが、「夜鳴きチェック」「水を飲んだか」「床ずれの確認」といった項目を自分で追加できます。追加した項目も、ほかのお世話と同じようにチェック1回で記録できます。
できます。家族を招待すると、お世話の記録がリアルタイムで共有され、完了やメモの追加は通知でも届きます。夜間や早朝の投薬など、担当が分かれやすい場面で申し送りの手間がなくなります。
間に合います。過去にさかのぼることはできませんが、記録は始めた日から積み上がります。2週間分でも数字が並べば、次の診察で「この2週間はこうでした」と伝えられます。
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公式noteでも、ペットの健康や暮らしについて書いています。